古くて新しい財産の引継ぎ方〜民事信託名義が「自分」でない不安

  • 2015.07.15 Wednesday
  • 11:57

「不動産の売買契約書に署名・押印するのは名義人である受託者。とすると、受託者が管理している不動産を勝手に処分してしまうのでは…」
このような不安を持たれる方はいらっしゃると思います。

遺言と違って委託者と受託者が、よくよく話し合い契約を結んでいるわけなので滅多なことはないと思いますが、それでも人間なのでなにが起こるかはわかりません。
そこで、不測の事態を防いだり、起こってしまった場合の解決についても色々考えられています。
 一つは、信託契約の「目的」「契約内容」が受託者を縛るということです
受託者に与えられた権限や義務は「この民事信託が何のために契約されているか」という目的を実現するためのものです。
例えば、受益者の最後まで安定した幸福な生活のために結ばれた契約に反するような勝手な信託財産の処分などは当然権限外の行為です。
また、実際の契約書では受託者が何ができるか 財産の処分の際にはどうするのか といったことが定められているはずです。
こうした信託契約に違反した受託者の行為を、受益者は取り消すことが可能です。受益者本人が認知症などで意思表示ができない場合、あらかじめ定めておいた受益者代理人などが取り消します。
 二つ目は、取り消すだけでなく、受託者が「任務を怠ったことによって」「信託財産に損失が生じた場合」は「損失のてん補」(つまり損害賠償)を また「信託財産に変更が生じた場合」「原状の回復」を受益者は受託者に請求できます。
後者の「原状の回復」とは、「元通りにする」ということですから、第三者に売ってしまった場合に信託財産としての状態に戻すことを請求できることになります。(信託法40条)
信託財産となった不動産には、受託者の固有の財産とは分別して管理するため信託の登記がされます。
登記簿を見ないで不動産を買う人はいません。なので、信託の登記がされていれば、第三者が自分が正当な買主であるとは主張できません
株などの有価証券についても、株主名簿にその旨登録されていれば同様です。
仮に受託者が元通りにできなければ、損害賠償請求をすることになります。
 受益者代理人という方以外にも、信託監督人という役目の方を置くこともできます。
この役目は受益者の代理権はありませんが、適切に信託事務が行われているか監督してくれます。

このように、しっかりした手順を踏んで信託契約を結んで、受益者を守る体制がしっかりしていれば、名義が自分の名前ではないからと言って不安になる必要はありません。
 

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